Museum of Natural History, Tohoku University, Sendai, Japan
ツアーコース
「地球生命の進化」(6)
新生代
古第三紀
約6500万年前に始まる新生代は第三紀と第四紀に区分され、第三紀はさらに古第三紀と新第三紀に細分されます。古第三紀初期の5800万年前〜5000万年前には地球全体が温暖化しましたが、その後寒冷化が進み、約3400万年前には南極大陸で氷河が発達し始めます。その寒冷化は現在まで続いています。中生代に繁栄した生物の多くは新生代の始まりまでに絶滅し、古第三紀には哺乳類や被子植物が多様化しました。古第三紀初頭、哺乳類は小型のものでしたが、以後現在生息する哺乳類の多くの祖先が次々に出現し、適応放散しました。また、古第三紀の浅海では“貨幣石”と呼ばれる大型有孔虫が繁栄しました。
ディスコシクリナ(有孔虫類)
Discocyclina sowerbyi
インドネシア ジャワ島,始新世
古第三紀は大型有孔虫が繁栄した時代で,特に“貨幣石”と呼ばれるヌンムリテス属(Nummulites)は有名です.本種も大型有孔虫の一種で,インドネシアの始新世の地層から多産します.類似の種は,小笠原諸島の父島や母島などからも産出します.(大きい個体で径
2.5cm)
セコイア(スギ科植物)
Sequoia langsdorfii
北海道空知郡奔別炭坑,漸新世
生きた化石として有名なメタセコイアに類似する漸新世のスギ科の一種です.日本のセコイア属は古第三紀に栄えましたが,次第に衰えて新第三紀鮮新世には絶滅したと考えられています.(横幅
10cm)

サバリテス(ヤシ科植物)
Sabalites nipponica
長崎県高島炭田,始新世
始新世の単子葉植物ヤシ科の一種で,日本の代表的な炭田を構成する石炭層から多産します.類似する現生種の分布は,西インドや中南米の熱帯地方ですが,古第三紀には現在の分布域よりかなり北方の温帯域まで生息していました.(縦42cm)
新第三紀・第四紀
新第三紀は約2400万年前から約180万年前までの期間を指し、それ以後現在までを第四紀と呼んでいます。新第三紀には、海洋ではイルカやクジラの仲間が多くの種に分化し、陸上では気候の寒冷化に伴い乾燥するにしたがって森林に代わって草原が広がり、ウシ科の動物が多様化しました。新第三紀後期の、今から約300万年前には北半球で大陸氷河が発達し始めます。第四紀は氷河時代とも呼ばれるように、気候はさらに寒冷になり、約70万年前からは大陸氷河は約10万年ごとに拡大縮小を繰り返すようになりました。氷河期にはヨ−ロッパや北米の大半は厚い氷床に覆われていました。約1万8000年前以降温暖化が進み、現在は間氷期にあたります。
メイムナ(昆虫類)
Meimuna protopalifera
栃木県黒磯市,新第三紀中新世
現生のツクツクホウシにきわめてよく似た中新世のセミの一種です.近似種は中国大陸にも生息しています.(長さ3.9cm)
ミヤタマルガメ(両生類)
Cuora miyatai
栃木県葛生町,第四紀更新世
栃木県安蘇郡葛生町付近に分布する石灰岩の洞穴堆積物から産出する葛生動物群と呼ばれる第四紀脊椎動物化石群の一つです.西表島,石垣島などに生息する現生のセマルハコガメに比べて全体に小さく,前後に長く,甲が高いことが特徴です.(長さ10cm)

カルカロドン(サメの歯,軟骨魚類)
Carcharodon megalodon
宮城県亘理町,新第三紀中新世
主として中新世〜鮮新世の地層から産出するサメの歯の化石の一種です.日本古来の伝説上の怪物である“天狗”の爪と呼ばれてきました.現生のホホジロザメに類似する種類です.(大きい方の長さ13.5cm)

クロマニョン人(左側)と現代人(右側)
Homo sapiens sapiens
現在知られている最古の人類は,東アフリカの約450万年前の地層から発見されたラミダス猿人(アウストラロピテクス・ラダミス)です.人類はこの450万年間に猿人(アウストラロピテクス属)から初期ホモ属(ホモ・ハビリス,ホモ・ルドルフェンシス),原人(ホモ・エレクトゥス),古代型ホモ・サピエンス(ネアンデルタール人)を経て現在の人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)へと進化してきました.

イワシクジラ(ヒゲクジラ類)
Balaenoptera borealis
現生
クジラの仲間は,現在世界中に76種が生息していて,ナガスクジラやミンククジラなどのヒゲクジラ類と,シャチやイルカの仲間のハクジラ類とに大きく分けられています.ヒゲクジラ類のシロナガスクジラは体長30m,体重120tに達し,地球史上最大の動物といえます.この標本はイワシクジラで,1915年に宮城県鮎川町で陸上げされたものです.(長さ14m)
これでこのツアー「地球生命の進化」は終了です.
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